Little Tempo 『SUPER TEMPO』

今月に入ってCDを30枚以上買ったのだけど、これを聴き始めて以来他のCDがまったく聴けないでいる。部屋でも車の中でもずっとこれだけを繰り返し聴き続けている。最高に楽しい。
前作『MUSICAL BRAIN FOOD』からリトテンは明らかに変わった。avexから契約を切られレコード会社を移籍して(TICOはインタビューでこっちが契約蹴ったんだって言ってた)、いつもレコーディングには参加していたけれどそれまではguest musicianとしてクレジットされていたHAKASE(Keyboard)、春野高広(Sax)、田村玄一(Steelpan,Pedal steel)、大石幸司(Drums)、田鹿健太(Percussion)、内田直之(Dub mix)の6人がLittle Tempoのメンバーとしてクレジットされメンバーが9人になった。そして音へのこだわりがそれまでとは比べ物にならないほど増していた。つきぬけていた。
前作から2年。リトテンは変わらず絶好調である。
この『SUPER TEMPO』も前作の流れにある作品だと言える。どんなアルバムなのか一言では絶対に言いあらわせられない摩訶不思議なサウンドがてんこ盛り。それなのにアルバム通して聴くと何故かまとまっている。ライブではすでに定番曲となっているJAZZのスタンダードナンバーのカヴァー、#7、#8がまた奇をてらうことなくストレートに演奏されていてそれがまた素晴らしい。またセルフカヴァーである#11が前よりも良くなっているという事実が今のリトテンの絶好調ぶりをあらわしていると思う。そしてこの#11「AFRICAN JAMBOREE」を聴いて思ったのだけど、『KEDACO SOUNDS』まではスティールパンへのこだわりが強すぎたんじゃないだろうか。スティールパンの音は心地よいけれど、Little Tempoはそれだけにとどまるようなバンドじゃない。ここにきてスティールパンにも少々飽きがきて、ようやく今のリトテンサウンドに辿りついたんだ。きっと。
追記:いくらなんでも、スティールパンに飽きたってのは語弊があるって言うか違うな。と思った。いくらなんでも言い過ぎだ。絶対に飽きてないだろうし。バンドの中でスティールパンが完全に消化できたって感じか。それまでは、アイディアありきのバンドだったけれど、ようやくバンドとしてのアイデンティティーがしっかりしてきたように思う。

SUPER TEMPO

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